Growth/結果
このページの統計と指標は Growth 機能の影響を表します。データは2020年11月時点のものです。
新規参加者タスク
新規参加者タスクとは新規参加者ホームページの中心となる機能です。 メンテナンス用テンプレートを使い、校正やリンクの追加など、簡単な編集が必要な記事をおすすめします。 新規参加者は興味のあるトピックを選び、記事を開くと編集完了まで(訳注:画面上で)ガイダンスを受けます。 機能により新規参加者による建設的な編集を引き出し、編集を実際にやってみる新規参加者の人数を増やすことにも成功しました。
対象者の総数
- このワークフローを利用し、2021年1月時点で編集を実際にした新規参加者は 8,200名、編集回数は合計5万6000回に達しました。実装したウィキペディアは17言語版です。
- これら編集の回数と人数は急速に増加し、機能の改善ならびに導入したウィキの件数の増加が貢献しました。
- 初学者は校正やリンク追加、ときには出典を添えた新しいコンテンツを加筆しています。
- 新規参加者タスクからの編集はおおむね質が高いと見られます。 通常、新規参加者が実施した編集の 18% が差し戻されます。 新規参加者タスクを使った編集は差し戻し率は 12% のみでした。
- これらの利用者の 21% は5件以上のおすすめ編集を完了させました。
- これら利用者のうち3日以上にわたっておすすめ編集を続けた人は 12%。
- ウィキの中には他と比べると新規参加者タスクを熱心にこなしたウィキがあります。たとえばペルシャ語版ウィキペディアでは参加者数に比例すると、たいへんに高率でおすすめ編集が行われました。
- ある利用者はおすすめ編集をいくつか試してから、コンテンツ翻訳のようなもっとやりがいのある貢献へ移行しています。他の利用者はおすすめ編集を毎日続けています。
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おすすめ編集のうち作業が完了した件数の統計。期間は2019年12月 - 2020年11月、週単位、ウィキ単位で合計値を線グラフに変換。
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おすすめ編集を完了した利用者の統計。2019年12月 - 2020年11月にウィキ単位で週ごとに集計。
影響度の実験
影響力として Growth 機能を理解するため、特に「新規参加者タスク」に注目して対照実験を行いました。 新規参加者をこの機能を受け取ったグループ(調査群)と受け取らなかったグループ(対照群)に分けました。 実験期間は6ヵ月、データ収集はアラビア語版、ベトナム語版、チェコ語版、朝鮮語版のウィキペディアです。
分析結果の傾向として Growth 機能は新規参加者の成果を向上させました。重要点を以下にまとめます。
- Growth 機能を提供した新規参加者は、初めて記事を編集する傾向が11.6%増加しました(つまり「活性化」した)。
- Growth 機能を提供した新規参加者は、初めて編集した記事が差し戻されなかった傾向が 26.7% 増加しました。
- 定着率も向上する傾向にある(つまり別の日にウィキペディアに戻ってきて他の記事を編集する)と信じています。
- この機能は建設性を減らすことなく(つまり編集が差し戻されない)、編集量(つまり編集の回数)も増加させました 。
これらの結果から Growth 機能は、特に新規参加者タスクにおいて新規参加者の編集行動を増やし、新規参加者がそのウィキにとどまる期間を伸ばしたと推察します。
これらの結果から、すべてのウィキペディアでこれらの機能を実装すべきであると考えています。
指導役制度とヘルプパネル
新規参加者ホームページの指導役モジュールは、それぞれの新規参加者に指導役を、参加している経験者の一覧から割り当てます。すると新規参加者はトークページでウィキテキストを書くことなく、簡単に質問ができる方法を手に入れます。
ヘルプパネルは新規参加者がページを編集するときに必ず表示され、そこからそれぞれの参加するウィキのヘルプデスクあてに質問ができます。ここにはヘルプページの検索機能もあります。
これらの統計は2020年11月時点の数値です。
- 指導役には、1万1785人の利用者から指導役に、1万4228件の質問が寄せられました。
- 2,029 件の質問をヘルプパネルから投稿した利用者は、合計 1,544 名でした。
- ヘルプパネルが表示された新規参加者のおよそ 20% はこれを開き、その 50% は実際に試しています。
- ヘルプパネル単体では新規参加者の編集の増加に結びつかないものの、この機能を継続する理由は上記の新規参加者タスクフローのところで触れたように将来性を認め、ガイダンスを提供する目的があるからです。